Denkitunes Labo

宅録野郎の8bitゾンビ電気チューンズの音楽と映画とゲームのブログ

大友克洋全集

電気チューンズです。

 

先日大友克洋全集が発売されたので早速書店に買いに行きました。

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一応説明しておきますと、大友克洋とは漫画家で、有名なところで言うとAKIRAの作者ですね。流石にAKIRA知らない人もいないとは思うのですが、日本のサイバーパンクの金字塔でアニメ映画にもなり、全世界で「ジャパニメーション」だなんだと持て囃された大傑作漫画です。

当然AKIRA以外にもいっぱい漫画を書いているのですが、どっちかというと初期は短編ばかりで連載するような長編をあまり書いていなく、未だに単行本では出ていない作品や入手困難なものが多く、もう大友ファンになって40年以上経ちますが、そんな私でもまだ読めていない作品が沢山あるのです。

今回全集ということで、漫画だけでなく大友克洋の作品がイラストから絵コンテまで全て出るということで、これは全部買わないとな〜と大人の私は決心した訳です。

今年から順次発売していき、デビュー作から年代順に全て総括するらしいので楽しみです。

ただし、発売順は時代順ではないようで、まず最初は童夢」(第8巻)AKIRAの絵コンテ集」(第21巻)が発売され、その後も時代はバラバラに出るみたいです。

 

仕事帰りに大型書店に寄ると、まさかの最前線での陳列!!知らん人が見たら怖いわw

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でも逆にインパクトあって人の目を引くので上手い宣伝なのかも。

最近の子らは大友克洋!って言っても知らないもんね。

 

元々の単行本と比べると少し大きめになっております。

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右が昔の単行本

 

さらに全巻購入特典応募券と貼る台紙、初版特典のステッカー。応募券を全部揃えるといいことあるみたいですよ。しかし全41巻か…長い道のりだw

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童夢

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最初に出る「童夢」は漫画では初の日本SF大賞を受賞したというどえらい作品で、日本の漫画界の分岐点とも言えるもの凄い漫画です。(漫画がこの賞を取ったのは初めて)

よく「大友以前大友以降」などと言われますが、それがこの作品です(多分)。勿論この後にAKIRAが始まるのですが、いわゆる大友克洋が漫画界にどえらい影響を与えた革新的な表現はここで完成をしているのでまさに日本の漫画を語る上で一度は読んでおいてもいいんじゃあないかという大傑作です。

当然今読むと全てあらゆる漫画で使いまくられている表現や手法だらけなので逆に新鮮味はないかもですね。日本の漫画で直接ではないにせよ影響を受けていない漫画はないんじゃあないかと思います。(ギャグ漫画や4コマ漫画なんかはおいといて)

とりあえず童夢の画期的なコマを何個か紹介すると、

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所謂「童夢 ズン」壁が円形に破壊されることで目に見えない力を描いた。

 

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イヤボーンの元祖(多分)。こちらも消防士の腹が弾けることで力を表現。

 

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これまでの漫画ではあまりなかった画角やアングルで描くことで映画の一コマのように。

 

まあ、それこそ40年前から語られ尽くされたことはあんまり細かく言いませんが、そんな感じです。

 

今回の全集では当時の扉絵やカラーページも掲載されていて大きさもB4版になってとてもいいです。勿論昔の童夢の単行本も持っていますが、改めてデカいので読むのもいいですね。

ストーリーも面白く、欧米の所謂幽霊屋敷は古い城や洋館が舞台だけど、日本の幽霊屋敷はどこなの?と考えたところで「団地だな」とひらめき、舞台は巨大な団地になったそうでその設定の発想もいいですよね。ホラー漫画ですが中盤のバトルシーンは破壊に次ぐ破壊で凄いです。あと人が凄いあっさり死ぬのも特徴です。これまでの漫画でこんなあっさり人が死ぬのもそんなになかったかも。それもあっさり死ぬしな。

1巻でサクッと終わっているので大友克洋入門編としてはピッタリだと思います。(あとがきを読むと、もっと膨らませることも出来たけど、1本の映画のような構成にしたかったとのことです)

 

Animation AKIRA Storyboards 1

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こちらが同時に発売した映画「AKIRA」の絵コンテ集です。値段はちょっとお高いですが、AKIRAの絵コンテは完成度が物凄く、もうこれは一つの作品でしょうと言えるものになっているのでやはり一冊所有しておきたいものです。

映画のAKIRA手書きアニメの究極型のような作品で、未だに世界的にも日本のアニメの代表格として知られています。とにかく作画がヤバくて、よくまあここまで手書きで作ったなあという凄い作品です。漫画で連載中だったAKIRAを休載して原作者自体が監督しようってんだから大抵失敗しそうなものですが、人もお金もたっぷり使ってここまで凄い映画を作ってしまった大友克洋はやはり凄い人だ。

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AKIRAを観たことなくてもこれは見たことあるであろう金田バイクのスライドブレーキシーン。

AKIRAアメリカのカルチャーでも基本知識として知られており、スピルバーグ監督「レディプレイヤー1」でもAKIRAの主人公金田が乗るバイク(その名も金田のバイク)が大活躍します。バック・トゥ・ザ・フューチャーデロリアンと同等のアイコンとして登場する金田バイクの認知度とカッコよさに日本人でよかったと思わされました。

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ちなみに「レディプレイヤー1」には他にも日本が誇るガンダムも大活躍(それも美味しいところで)するので日本人で良かった度がとても高いいい映画です。

 

しかーしこの絵コンテ集。どこの本屋にも置いていない!あれ?発売まだだっけ?と調べてみるとどこも売り切れ。Amazonでは既に倍の価格に!こっちはそんなに部数を刷ってなかったんですかねえ。でも重版されるとのことなのでちょっと待ちましょう。慌ててテンバイヤーから高いの買わないように。

 

そしてこの後も3月に「BOOGIE WOOGIE WALTZ」「Animation AKIRA Storyboards 2」が発売予定で、その後順次発売されていきます。この「BOOGIE WOOGIE WALTZ」は確か当時通販でしか売っていなく、それを知った発売から何年も経った高校生の私には入手する術が思い付かず未だに読んだことのない一冊であります。昔はネットとかもないしね。

 

まあそんな訳で今回はいつもと違って漫画のお話でした。今後も全集の発売が楽しみです。

 

 

 

 

でわでわ。

 

 

 

全巻集めないとなあ。

 

全漫画ファン必読!しかしこれも今回の全集で改めて出るんですかねえ。

 

Amazonでは中古で8,000円くらいします。高い!