Denkitunes Labo

宅録野郎の8bitゾンビ電気チューンズの音楽と映画とゲームのブログ

君はワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドを観たか!!?

とんでもない映画でした!

タランティーノがやった!やってくれた!

思わず出たのはガッツポーズ!

 

さて、先日早速観てきました。クエンティン・タランティーノ監督の通算9作目にして最新作。

ブラッド・ピッドレオナルド・ディカプリオが初共演した超話題作!

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナに続く

ワンス・アポン・ア・タイムシリーズ第三弾!!(←うちょ

 

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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いやー面白かった。言いたい事はいっぱいあるのですが映画好きで本当に良かったと思わせてくた作品ですね。

今回は何となく目次を付けてみましたよ!ブログっぽーい。

 

 

あらすじ

昔は人気俳優だったけどピークを過ぎて落ち目(と、本人は思っている)の男リック・ダルトンレオナルド・ディカプリオが、そのリックのスタントマンにして親友にして付き人のクリフ・ブースをブラッド・ピッドが演じ、ハリウッドの若手女優シャロン・テートマーゴット・ロビーが演じ、この3人を中心に物語は進んでいきます。

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この映画の前提知識(シャロン・テート


そしてこの映画の肝は、そしてこの映画の前提知識がこのシャロン・テートさんなんです。

左)シャロン・テート 右)マーゴット・ロビー (あんま似てないね)

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シャロン・テート実在した人物で女優です。映画「ローズマリーの赤ちゃんロマン・ポランスキー監督の元奥さんなんですね。ふーんと、何も知らずにWikipediaシャロン・テートと調べると…

びっくりします!!

これはネタバレでも何でもなくて実際の事件なんで知っていた方がこの映画を楽しめること間違いないです。(タランティーノは一応知らなくても楽しめるようには作ったと言っていますけどね)

 

この映画の前提知識(チャールズ・マンソン

Wikiばかりに頼るのもアレなんで説明しますと、当時チャールズ・マンソンと言うカルト集団「マンソン・ファミリー」の指導者がいまして、家のないヒッピーなんかを集めて集団生活なんかをしていたんですね。それもLSDを使って女の子を洗脳して男を誘惑させて信者を増やしていたんです。日本でいうとオウムの麻原みたいな奴です。

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マンソンは聖書ビートルズヘルタースケルターという曲を勝手に解釈して女性は罪人であると信じ込んで恐ろしい殺人計画を実行するように信者に命令、かくしてハリウッド史上最悪の無差別殺人が起こってしまうのです。そしてその被害者の一人がこのシャロン・テートなのです。

チャールズ・マンソンについてはナイン・インチ・ネイルズマリリン・マンソン経由で知ったというロック好きも多いと思いますが、事件から50年経っているのもあり日本ではもうそんなに知られてないみたいですね。

ちなみに私は最初U2経由で知りました。U2のアルバム「魂の叫び」の冒頭ビートルズの「ヘルタースケルター」をカバーしていてそれがメッチャカッコいいです。 

魂の叫び (RATTLE AND HUM)

魂の叫び (RATTLE AND HUM)

 

みどころ(悲劇に向かっていくハリウッドの日常) 

話は逸れましたが、この無差別殺人事件は死ぬ程胸糞悪い事件なので詳しくは書きたくないですが、要はこの映画はそんな事件が起こる(であろう)ラストに向かってカウントダウンされる様に進んでいくのです。

そのためか、この映画は基本的に、起伏なしに登場人物のハリウッドでの日常だけを描きながら進みます。しかし恐らくラストに来る(であろう)事件があるため、映画はダレることなく進み後半になるにつれドンドン緊張感と恐怖感が高まって来るのです。

そして観客は彼らの日常を観ているうちに彼らの事がドンドン好きになっていき、誰も死んで欲しくないなーと思うようになっていくと。だってみんなイイやつなんだもん。

特にシャロン・テートマーゴット・ロビーがとてもチャーミングに演じており、観客は「何て良い子なんだ…この子が最後に…」と、すっかりシャロンのトリコになってしまいハラハラしてしまうと同時に、嫌な気分と不安感を募らせていくのです。

 

みどころ(スター初共演) 

役者さんはみんなイイのですが、やはり主演の二人は最高によくて、ディカプリオの演じるダメ男ぶりがもう最高です。すぐ泣くしwww

前日酒を飲み過ぎてセリフを忘れてしまって楽屋で自分にキレるところがもう最高で、これ即興らしいのですがディカプリオ史上最高のシーンですw

その後魅せる一世一代の演技も素晴らしい!!

更にブラッド・ピッドがここへ来て彼史上何度目かのカッコいい期に突入しており、ファイトクラブ期のプラピばりのプラピになっています。

ファイト・クラブのブラピ 神々しいです…

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もう何してもカッコいいので笑っちゃいます。

屋根のアンテナ治しててもカッコいい。

犬に餌やっててもカッコいい。

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みどころ(1969年ハリウッド) 

タランティーノ映画はどれもそうですが、今作も美術やセットが素晴らしいです。リアルに精密に映画内世界を徹底的に作り込むことによって観客を映画へ惹き込みます。当時の車なんかよう集めてきたなってくらい色々出てきます。(私はくわしくないですけどね)

映画館をタイムマシンに例える人は多いですが、この映画も観客を1969年のハリウッドへ連れて行ってくれます。(これは家のテレビではなかなか体験出来ないことの一つだと思います。劇場で観るということはそういった意味もあるのです。)

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その他にも登場人物も実在の人が出ているので映画好きにはたまらないですね。ブルース・リースティーブ・マックイーンが出てくるのでニヤニヤしちゃいます。

ブルース・リーの扱いがヒドいですけどねwww

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タランティーノ映画はよく古い映画の知識が求められるイメージですが、別に知らなくても気になったら後で調べて観ればいいと思います。今は配信やレンタルで古いものもすぐ観れますからね。

 

 

まあそんな訳でクエンティン・タランティーノの集大成とも言うべきこの映画ワンハリ!是非とも今劇場で鑑賞してください!

何だか次の10本目撮ったら監督業を引退すると言っているのでそんな事言わずにイーストウッドみたくジジイになっても撮り続けてほしいなー。

 

 

 

そしてここからがネタバレありの感想コーナー!!!ネタバレ嫌な人は映画観てから読んでね!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネタバレ有り感想

ここからネタバレありなんで、既に観た人、ネタバレとか気にしない人だけ読んで下さいね。

 

さて、この映画で何より面白いのが、中盤以降、映画によくある所謂フラグがことごとく外れるところですね。

ヒッピー拾う→未成年淫行でトラブルになりそう

ヒッピーの牧場に行く→取り囲まれて危険な目に遭いそう

押し切って牧場主に会う→死体になってそう

ヒッピーを殴る→報復されそう

LSDタバコを他のと混ぜる→間違って吸ってトラブルになりそう

LSDタバコを吸う→ラリって普通なら勝てるマンソンファミリーに殺されそう

リックがマンソン・ファミリーの車を追い払う→撃たれそう

クリフがLSDでトリップしたまま拳銃を向けられる→撃たれそう

殺し合いが始まる→全員死にそう

リックのプールにヒッピー女が突撃→乱射した銃弾に当たりそう

 

などなどのフラグが次々と、特に後半に向けて畳み掛けて来るのですが、全て逆張りとなって外れていきます。そのうえ、逆張りどころか史実なんてクソ喰らえとばかりにマンソンファミリーをボッコボコのグッチャグチャに返り討ちにしてしまうというところまで上り詰めていくという、我が目を疑うほどの痛快で爽快な展開に!

私は無差別殺人の犯人なんか同じ苦しみを味あわせてぶっ殺して欲しいくらい憎んでいるので、このラストは本当に感動しましたね。自分勝手なクソみたいな理由で自分を正当化する真のクズ野郎は返り討ちぢゃ!!

それをトドメは「汚物は消毒だ!」とばかりの火炎放射器アタック!!で文字通りぶっ殺してしまうのですから、思わず拍手喝采したくなりましたよ。

スタンディングオベーションの図

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謂れのない暴力で人の命や芸術・文化・創作を破壊することは神が許しても俺が許さんとばかりにタランティーノの怒りが爆発していると思います。それが現実の出来事と違ってもせめて俺の最強の武器(映画)でクソ野郎をぶっ殺してやる!という叫びが聞こえるかのようでした。

もうディカプリオが火炎放射器持って来るところでこの映画は私の中で100点満点中5億点を記録しましたwww

なんかわからないけど感謝の気持ちまでいっぱいになりました。笑いながら泣いているようなそんな気持ちでした。

 

タランティーノは以前イングロリアス・バスターズでも、歴史なんかクソ喰らえとばかりにヒットラーをマシンガンで蜂の巣にしていますが、今回はタランティーノの映画に対する愛と映画を破壊したものへの憎しみが最高潮に高まっていてカタルシスが半端なかったです。

 

後、あえてチャールズ・マンソンはチラッとしか出てきません。これは被害者より加害者を目立たせたくなかったんですかね。「お前なんか出してやらねーよバーカwww」と言っているようです。

マンソンなんかより、シャロン・テートが自分の出演映画をニコニコ観るシーンや、お気に入りのレコードでルンルンしているシーンの方が大事であり愛おしく、人々にシャロンが「悲しい被害者」「無残に殺された人」としての記憶しか残っていないのを、こんな素敵な女の子だったんたよ(多分)と、記憶の上書きをするかのようで感動的でした。

これもタランティーノの謂れなき暴力に屈しない意思表示なのではないでしょうか。

 

そんな訳でガッツポーズな訳です。日本でも胸糞悪い事件が多いですが(特に先日の京アニ放火無差別殺人事件)映画の中でですが、確かに謂れなき暴力に映画が勝った!そんな記念すべき映画だと思います!!

 

 

ありがとう タランティーノ!!!同じ時代に生きてて嬉しいです!!

 

 

でわでわ。

 

 

 

 

 

 

 NINのセカンドアルバム。なんとこの殺人事件現場でレコーディングしています。怖いわ。

ザ・ダウンワード・スパイラル

ザ・ダウンワード・スパイラル

 

 

 スティーブ・マックイーン主演。オールスター総出演の超大作。大傑作です。映画にもちょっとだけ出てきます。

 

ブラピ史上最高にブラピ。映画も最高に面白い。若いとき観ると人生を踏み外すかもwww

 

こちらも最高。これぞ映画だ! ネタバレ書いちゃったけど…

  

 ことらもラストでガッツポーズが出ました!(今回とはまるで別の意味ですがw)