今公開中のホラー映画
アリ・アスター監督
ヘレディタリー/継承
の感想です。
世間では最恐に怖いと話題になっているホラー映画なのですが、ネタバレしないで感想を書こうと思います。あくまでも私の感想ですよ。
ストーリーもあんまり書くと即ネタバレに繋がりそうなんでさわりしか書けないのですが、
要はおばあちゃんが亡くなり、その家族(父母息子娘)が何だかどんどん酷いことになって行くお話です。
これ以上書くとネタバレになりそうなんで書けませんが、これだけでよーし面白そうだ観てみよう!って人はいないと思うのでお話に触れずに感想を書きます。感想と言うか、怖さを解説します。
まず、何が怖いかって言うと、何だか全編理由もわからないまま不吉な雰囲気だけが漂っているんですね。ずーっと低い重低音や洗濯機の低音みたいな音が鳴っていたりするので。
まだ何も起きて無いのに怖くなる予感だけがするままお話は進みます。
そして、後半になるまで何が怖いのかがわからない。霊的な怖さなのか、発狂する人が怖いのか、グロが怖いのか、要は何のジャンルのホラーなのか分からない。
ホラーのジャンルが、例えば
殺人鬼が襲って来る話なら、その殺人鬼を警戒して観ればいいし、
幽霊が襲って来る話なら、幽霊を警戒して観ることが出来るので、
観ている観客は身構える事が出来ますが、この映画は何が怖いのか分からないので、ずっと不安なまま話が進んでいきます。そもそも何の話なのかもわからない。
なので、観客は全方位に警戒して観ることとなり、自ずと神経を張り詰めるととなり、気付けば映画の恐怖に取り込まれてしまうのです。
そうなってしまえばもう手遅れで後は後半の恐怖演出にたっぷりと怖がらさせられてしまう訳です。
これがもう身の危険を感じる怖さと言うか、ん?今のは映画の中の音?それとも隣の人の出した音?みたいにどんどん映画同様こちらも現実と虚構がわからなくなっていきます。
中にはいかにもホラー映画によくある演出や、後で思い出すと笑ってしまうような演出もあるのですが、観客は映画に取り込まれ、言うなれば「当事者」になってしまっているのでメチャクチャ怖い訳なんです。
だから終わってみると余韻はそんなに無く、今まで私は何を怖がっていたのだろう?と、文字通り目が覚める訳です。
逆に前半退屈だなと、集中力が途切れた人はそんなに怖くないかも知れません。
なんせ後半はあの迷作映画サイン級になかなかぶっ飛んでいるの展開なので、映画に入り込んでいない場合ズッコケる可能性もあります。
その人は怖がらずに済んで運がいいのか悪いのか?
ホラー映画の怖さって結局感情移入だと思うのです。いかに映画の中の人の恐怖が他人事で無くなるかがポイントな訳で。その為にホラー映画監督はあの手この手の演出で我々を登場人物に感情移入させ怖がらせに来る訳です。
この映画はこの家族の一員になる位に観客を感情移入させ、心底怖がらせてくれる超怖い映画なんで、ホラー映画が好きな人、好奇心旺盛な人、怖がりたい人におすすめです。
また、効果音が非常に重要なので映画館で観ることをおすすめします。家で観るならヘッドホン推奨かなぁ。
怖いの苦手の人はやめといた方がいいと思いますw
でわでわ。
こんなにズッコケる映画もないです。