エブリシング エブリウェア オールアットワンスは面白いけど万人向けではないよ(ちょっとネタバレ)
祝!キー・ホイ・クァン!アカデミー助演男優賞受賞おめでとうございまーす!!
どうも電気チューンズでやんす。
いきなりお祝いしてしまいましたが、今回は先週末観て来たこの映画
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
なげーよタイトル。訳せよ。と、思うかもしれませんが、これを訳さずズバリ英語をカタカナにしての邦題には実は意味があるのです。
まあ、そんなタイトルですが、公式が「エブエブ」って呼んでね。と、宣伝してますのでまあエブエブでいいでしょう。他にいい略も思いつかないし。エプワン?エブシン?ブリブリ?ブリブリはアウトですね。
脱線気味ですが、まずはこの映画を紹介していきましょう。脚本監督はダニエルク・ワンとダニエル・シャイナートさん達。ダニダニコンビですね。エブエブのダニダニで覚えましょう。「スイス・アーミー・マン(2016年公開)」なんかを撮ってます。私は未見ですがハリポタの彼が主演してます。
制作はアンソニー・.ルッソとジョー・ルッソのルッソ兄弟。アベンジャーズやキャプテン・アメリカを撮ってるアメコミの巨匠です。
主演はミシェル・ヨー。
香港映画のアクションスターとして80年代に活躍。その後結婚して引退しますが、3年後に離婚してジャッキー・チェンにお願いされて復帰。「ポリス・ストーリー3(1992年公開)」にてジャッキーを上回るトンデモないアクションを披露している。(当時は確かミシェール・キングだった)
バイクで走っている汽車の屋根に飛び乗るシーンはアクション映画史に残る名シーン。
その後、007のボンドガールとして「007 トゥモロー・ネバー・ダイ(1997年公開)」に出演。背後の敵に顔面蹴りが出来る女優としてハリウッドでも人気者に。その後もアクション映画を中心に活躍しています。
そして、ヨーさんの旦那役で出演しているのは、キー・ホイ・クァン!
何と言って「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説(1984年公開)」のインディの相棒役ショーティことショート・ラウンドです。スピルバーグに見出されて大人気子役としてその後も「グーニーズ(1985年公開)」にも主演して、アジア系の為に日本でも人気者に。
左はインディのショート・ラウンド 右はグーニーズのデータ
しかし、その後ジョナサン・キーと改名をするものの俳優としては仕事がなく、裏方(武術指導とか)で活躍していましたが、このエブエブの役が来る時にはコロナ禍もあって健康保険も切れてしまうほど生活が困窮していたとのこと!再起を賭けて全力でこの役に取り組み、見事アカデミー助演男優賞を受賞したという訳です!凄い偉い!!
アカデミー賞でインディことハリソン・フォードと抱き合う姿は涙無しには観れない感動的な瞬間でした!
さて、そんなアジア系俳優が活躍する映画ですが、あらすじを簡単に説明すると、
ある時突然、いくつもの世界が並行して存在するマルチバースに飲み込まれてしまった1人の女性(ミシェル・ヨー)やがて、それぞれの世界に存在する別の自分の記憶や特殊能力を手に入れた彼女は、すべての世界に迫る重大な危機に立ち向かう。というお話。
さて、こっから感想。
今流行りのマルチバースやら、並行世界とかなんか小難しい話だと思うかもしれませんが、小難しいを通り越して前半はほぼ訳わからないままガチャガチャとなんだかやかましく進みます。イマイチあっちとこっちのバースの行き方がよくわからないのと、ルール説明が雑と言うか、とにかくなんかガチャガチャしてるのです。もう少し整理されていれば良かったなぁ〜と思います。
そして前半の展開がとにかくじれったい。ピンチもガチャガチャしてるせいで全然ハラハラしないし、はよカンフーしなさいよとイライラさせられました。
更に、基本的にギャグが滑り気味。そして下品!私が歳とったせいかもしれませんが、どーにも下ネタに寒いものを感じてしまいました。
しかし!!
この映画の価値を上げているのが役者のチカラ!特にキー・ホイ・クァン!
彼の心の底から込み上げるイイ人オーラが涙を誘いますし、キレキレのカンフーも最高でした。往年のジャッキーを思わせるそこら辺にあるものを使って戦うスタイルが素晴らしかったです。これは近いうちにMCU入りも間違い無いでしょう。
そして、彼の言う「Be Kind(優しくしようよ)」がこの映画のテーマと言えるでしょう。もう彼のせいで後半はなんだか涙がダダ漏れ状態になってしまいました。
勿論主演のミシェル・ヨーさんも素晴らしく、前半のいかにも生活に疲れ果てた主婦の姿とか様々なバースで見せる様々な姿がそれぞれコスプレではなくちゃんと人生を感じさせていて凄いと思いました。
モブかと思ったらジェミー・リー・カーチスだった税務署のおばちゃんも強烈で良かったですね。「領収書にはあなたの人生がある」みたいなことを言って説教したりして一瞬なるほどなと思ったけど、領収書には金がらみの記録しかないから、ちょっと違くね?と思ったけどまあいいです。
岩も良かったですね。虚無感。
そして、何より感動するのが、この主人公のヨーさんが、無限の可能性があるマルチバースの中で、最も何も成し遂げられなかったヨーさんであることです。しかし「何も成し遂げられなかったからこそ」無限の可能性があるんだとこの映画は訴えております。現実とぶつかり夢をあきらめてしまったり、仕事に追われてこんなのは自分じゃないと人生を悔やんでいる人は沢山いると思いますが、「だからこそ」無限の可能性があるんだよと、「だからこそ」得ることが出来たかけがえのないもなのがあるんだよと、何とも優しいメッセージじゃあありませんか。だからラストは涙がドバドバでちゃう訳なのです。
まあ良いところと悪いところが半々くらいの映画なんで、アカデミー賞作品賞!って言われると、はぁ?ってなりますが、まあ観て損はないですのでやはり劇場で観ることがオススメです。
でわでわ
ヨーさん大活躍アクション!ジャッキーに「俺より目立ちすぎw」と言われたとか。
キー・ホイ・クァンと言えばインディ2作目のショート・ラウンドですね。
こっちでも発明キッズとして大活躍!