はいはい電気チューンズです。
今年のフジロックフェスティバルのヘッドライナーとして発表されたThe Strokes(ストロークス)ニューアルバムが発売されました!
「The New Abnormal」
やったー!
なんと7年ぶりの新作ですってよ。最近の若いバンドの子らだと思っていたらいつの間にかデビューから20年近く経つのか!ひえ〜
なんせフジロックのトリですからもう世界的にビックバンドですよ。苗場の夜に彼らの曲が響き渡るのか〜。いいな〜。
中止にならなければですけどね。
さて、今作はストロークスらしさを爆発させつつあらゆるアプローチで様々なタイプの曲がたーっぷりと詰め込まれた良いのアルバムです。
初期の純正ロックンロール魂を失う事なく、でも全く今までと違う素晴らしい曲が詰め込まれております。
ボーカルのジュリアン・カサブランカスの声は、初期のルー・リードのようなボイスだけでなく、時にファルセットでソウルフルに、時にバラードをしっとりと歌い上げたりして、とても素晴らしいボーカリストに成長したようです。元々声がめっちゃイイうえに、メロディラインがどんな曲でもすぐストロークスってわかってしまうように独特なんですね。
ちょっとファルセットを多用しすぎようなのはやっぱ今の流行りに合わせた感じなんですかねえ。
このアルバム特に前半にいい曲が集まっており、一曲目から「ストロークスが帰って来た感」が強い軽快なロックチューンで幕を開け、三曲目の80年代風チューンで楽しい気分になったところで、四曲目のストロークス史上最高に爽やかな疾走感につつまれたキラーチューンでテンションがバリ上がりします。
特にこの四曲目の Bad Decisions が素晴らしく、特に最近暗いニュースばかりの中、そんな空気を吹き飛ばしてくれるようなロックンロールチューンです。
The Strokes - Bad Decisions (Official Video)
ストロークスと言えばファーストアルバムに代表されるように音数をギリギリまで削り落として、まるでミニマル・テクノのようなトラックにジュリアンのボーカルが乗ることで、他のバンドと違う唯一無二の音を出していたバンドですが、今作でもそれを更に突き詰めて深めていっているようですね。
ギター以外キーボードも多く使われていますが、あくまで音は最小限にして最大の効果を出すように作られています。
なのでドラムやギターがやたら激しいサード・アルバムはストロークスとしては微妙な訳です。曲はかっこよくてもこれなら他のバンドと変わらないのでね。
ファーストアルバムは当時ヘヴィロックやミクスチャーがゴリゴリ大活躍しているところへ、この骨格だけのようなロックンロールバンドが現れた時は正直「やられた!」という感じでしたね。音を重ねていってとにかく音を厚くもっと厚くという曲が流行っていた時でしたからね。なんだギターを歪まさなくてもこんなかっこよくできんじゃんと。
The Strokes - Last Nite (Official Music Video)
The Strokes - Someday (Official Music Video)
このアルバム以降2000年代初めに「ロックンロール・リバイバル」という軽いムーヴメントが起きて、ザ・ハイヴスやザ・リバティーンズやホワイト・ストライプスなどのバンドが世に出ております。
ところで
ファーストアルバムでいきなり歴史的な名盤を出すバンドって実はなかなかいませんが、このストロークスはその一つだと思います。
ちなみにその他のファーストアルバム名盤バンドは、レッド・ツェッペリン、セックス・ピストルズ、ストーン・ローゼズ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだと思っています。
(もちろん私選、ツェッペリンとかは人によって違うでしょうが…)
ところでこのアルバム前半はとてもいいんですが、後半があまり印象的な曲がないかな〜って感じですね。最後の方にもう一曲疾走感のある曲とかなんかいい曲が入っていればもっと良かったですね。
骨格だけのバンドとして登場したストロークスは一度筋肉をつけてパワーアップしていったけど、それでは他のバンドと変わらなくなってしまったので、ダイエットした上に骨格だけを鍛え上げ、恐竜の骨格のようなバンドになった。ただ下半身はイマイチ鍛えきれていなかった。
そんなアルバムです。
でわでわ。
とにかくBad Decisions が入っているだけでも買い!ジャケのバスキアもカッコいい!
これぞ歴史的名盤!デビューアルバムにして歴史的名盤。